ドンドン焼きのおはなし
ドンドン焼きははね。昔は子どもの取りしきった小正月の火祭りだったんだ。
おとなはぜんぜん手をふれなくて、上級生の指導でオンビを作り、ドンドン焼きをしたんだよ。
ドンドン焼きは、オンビまたはオンベ焼きともいわれ、サイト焼き、左義長ともいわれているんだ。
ドンドン焼きといっているが、火が勢いよくもえあがるようす、音からでたことばなんだよ。
正月に飾っていた松やお飾りなどをもやすことによって正月の神様はけむりとともに天におもどりに
なるんだ。古い神様のお札,お守り,だるまさんなどももやすが同じような意味があるんだよ。 |
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オンビ
大きい竹を中心に(これを中竹といって、太くて背が高いほどほかの地区のじまんになった)門松,
お飾りなどをまとめ、まわりをしめなわまいて作ったものがオンビなんだよ。
オンビを焼くからオンビ焼きなんだ。サイト焼き、左義長ともいわれるわけは、お家の人に聞いてね。 |
昔の子ども
昔の子どもは、オンビの中に「さいの神」さんを入れて火をつけたんだ。 なぜかというと、山の奥に目一つ子ぞうといわれるこわい人が住んでいて、里におりてきて
地区なら地区の人が、とくに子どもが悪いことをすると、神様に知らせるために、それを帳面
(ノート)に書いて「さいの神」にあずけていくんだ。
だから子どもたちは、今年はいい子になるから前の悪いことはなくなるようにと「さいの神」を
火の中に入れて帳面を燃やしたんだよ。
「さいの神」さんは、子どもにとって大きすぎて運べないので、ドンドン焼きのあとにのこった
中竹をかついていって、「さいの神」さんを「子どものいうことを聞いてくれ」といって
たたいたんだよ。 |
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さいの神
「さいの神」は、「さえの神」「道祖神」ともいわれ、れい力が強く、あくまを追いはらう力が
あるんだ。各地区のさかいにたっていて、地区の人たちを守ってくれるのだが、とくに子どもたちを
守ってくれる神さんなんだ。だから、火の中に入れられてもたたりはないし、帳面をもやしても、
子どもたちに気もちよく、新しい年をすごすよう守ってくれるんだよ。 |
ドンドン焼きは、今まで話したことのほかに、正月二日に書いた書初めをドンドン焼きでもやして、
もえたものが高くあがれば習字がうまくなる,門松などのオキでたばこをすうと一年かぜをひかない、
やいただんごやもちを食べると一年かぜをひかないなどいいことがあるといわれている行事なんだよ。 |
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